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2026-11-05 / 切削加工の基礎知識

ねじゲージの「通り」と「止り」は、何を確認するのか

ボルトが入るだけでは分からないねじの検査について、通り側・止り側ゲージの役割、扱うときの注意、見積依頼で伝えたい条件を説明します。

ねじ穴にボルトを入れて、すんなり締まれば大丈夫。そう思うかもしれませんが、それだけでは図面どおりにできているかまでは判断できません。相手のボルトにも寸法の幅があるためです。今回は、ねじの検査に使う「通り」と「止り」の役割を、発注する方にも分かるように整理します。

基礎知識:通ることと、止まることを一組で確認する

ねじには、太さのほかに、山と山の間隔を表すピッチや、ねじ山の形があります。見た目が似ていても、これらが合っていなければ正しく組み合わせられません。検査には、図面のねじ規格や精度等級に合う、ねじ用限界ゲージを使います。穴の内側にあるめねじにはプラグ形、外側に山があるおねじにはリング形のゲージが使われます。

通り側は、ねじのはまり合いに関わる条件をまとめて確認する側です。止り側は、有効径という、ねじの太さを評価する基準になる径が許容範囲を外れていないかを確認します。通り側だけが入っても合格とはせず、両方の判定をそろえることが基本です。止り側は「少しでも入ったら不良」と一律に考えず、規格とゲージごとの判定基準に従います。

ゲージが合格でも、確認が残るところ

ねじゲージは、部品のすべてを保証するものではありません。ねじ穴の位置、入口の面取り、傷やバリなどは別に確認が必要です。途中で止まる穴では、必要な長さまで完全なねじ山ができているかも大切になります。

図面の穴深さと、有効ねじ長さは同じ意味ではありません。有効ねじ長さは、相手のねじとかみ合って働く部分の長さです。先端の不完全な山や下穴の底まで含めて考えると、組み付け時に必要な長さが足りなくなることがあります。

加工現場で気をつける点:無理にねじ込まない

検査前には、ねじとゲージの切りくずや汚れを取り除き、軸を合わせて扱います。入りが悪いときに力で押し込むと、製品もゲージも傷めます。ゲージは削り直しの工具ではないので、硬い部分をさらう目的では使いません。

また、繰り返し使うゲージも摩耗します。傷やさびの確認に加え、使用状況に応じた定期的な検査が必要です。検査する製品だけでなく、判定の基準になる道具の状態も管理しておくことが、品質を支えます。

発注・見積時のポイント

ねじの呼び、ピッチ、精度等級、有効ねじ長さ、貫通か止まり穴かを、図面で分かるようにしてください。表面処理がある場合は、処理後のねじをどの状態で受け入れるのかも、先に相談しておくと行き違いを減らせます。

指定のゲージや検査成績書が必要なら、見積依頼の段階でお知らせください。検査する数量や記録の形式も含めて確認できます。「このボルトが入ればよい」という組み付け確認と、図面に基づく合否判定を整理しておくと、加工側と受け入れ側の判断を合わせやすくなります。

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